複合機能有機デバイス開発拠点

茨城大学複合機能有機デバイス開発拠点
ー キラルトロニクスの創発 ー

ご挨拶

有機半導体材料を基盤とする有機エレクトロニクスの研究は,有機EL(OLED; Organic Light Emitting Diode)が既に実用化されているように,基礎研究の段階から応用研究へとフェーズがシフトしつつあります。そのような状況の中,大学における基礎研究では,従来の有機デバイスには備わっていない,新しい機能を示すデバイスの開発が求められています。本研究拠点では,茨城大学理学部,工学部,フロンティアセンターの教員が連携し,従来の有機エレクトロニクスデバイスとは異なる,新しい機能を発現する高付加価値のデバイスの開発に取り組んでいます。具体的には,磁性と伝導性が相互作用する分子性磁性伝導体を半導体層に用いて,エレクトロニクスと磁性が複合した電界効果トランジスタや,物質のキラリティーを制御し,円偏光を発光するOLEDの開発に取り組んでいます。 磁性が絡む現象も含めキラリティーを介して,電気物性(伝導性),磁性(スピン),光物性(CPL)の3つの機能が相互作用する真の意味での多重複合機能系を探索するとともに,従来のエレクトロニクス,スピントロニクス,オプティックスを超越したキラルトロニクスという全く新しい領域の創発を目指します。